洗脳

日本における政治宣伝を目的としたプロパガンダは、1929 年に陸軍省と文部省を依 頼主として製作された作品とされています。
「第一次世界大戦ポスターの受容と影響2」田島 奈都子氏の論文を読んでいくと、

宣伝は政治や宗教活動と結びついて「政治(もくは宗教)宣伝(=プロパガンダ)」と呼ばれ、広告は商業活動と結びついて「商業広告(=アドヴァタイジング)」と呼ばれるのである。

製作が本格化したのは、1931 年の満洲事変勃発以降であり、1937 年の日中戦争開戦を契機として、それは一段と活発化した。しかし、それまでの日本においては、プロパガンダ・ポスターが製作されてこなかったことから、依頼主となる各省庁も依頼を受ける図案家も、どのような図案にすればよいのかわからず、その際に参照・翻案とされたのが大戦ポスターであった。

中略

、プロパガンダ・ポスターは1万5千枚印刷し、全国各地の師団を筆頭に、在郷軍人会、青年団、デパート、学校、集会所、駅など、関連機関と人の多く集まる施設に配布した。

こうして、民衆は戦争へとかきたてられ、軍事意識をもって、戦争へと人々が高揚し、進んでいったのです。

こういう歴史を見ているだけでも、プロバガンダという効果の恐ろしさを垣間見ることができます。

ヒットラーも意図をもってプロパガンダを利用していました。国民啓蒙をもとに宣伝省を創設し、その目的は、美術、音楽、演劇、映画、書籍、ラジオ、教材、新聞を通じて政治的な忠誠心と、民族意識を引き起こさせ、広めていくことでした。また、ヨーロッパの強国を含む外国政府に公正な要求ということして欺くことを狙ったものでもありました。

政府が絡んだ宣伝には、ある程度冷静に読み込んでいく必要があります。だからと言って陰謀論が全てだなんて思いません。陰謀論もまた、プロパガンダにすぎません。悪く言う噂話に人は関心を持ってしまうところがあります。また、ご年配の方は、政府が言うから間違いないんだという人が多いです。

今この時代、色々な方法で調べられる時代になりました。
人の話を聞くのであれば、有名人の話だからという理由ではなく、その話には矛盾がないのか、根拠は何処からきているのか、それについて詳しい説明ができるのか、などの情報を知るべきでしょう。

一度洗脳されてしまうと、そこから抜け出すことはなかなかできません。だから困るんです。

未だに見えないものは信じないという(主観主義)人もまた、困った考えなんですが、無いというエビデンスがない以上、無いと言い切れないという理論の公平さも理解していける人でないと、意見交換ができません。

話題に対して、専門知識がある人は何と言っているのか、何故そのような根拠があるのか、一度冷静になって読みほどくのも楽しいものだと思います。

何か腑に落ちないと思うなら、とことん調べてみてもいいように思います。きっと知らなかったことが出てきますから。

思案

Posted by Meatel