否定の真実

ヘーゲルによる弁証法解釈というのをご存じでしょうか。
ヘーゲルは「一つの事物・命題には必ずそれ自身の否定が含まれる」ということを指摘したのです。

この考え方を利用するととても豊かになります。

理解するという事を前提に考えていくと、否定があるから真実にたどり着くということにもなります。

リーディングをしていくとき、必ずしなければならないのはビジョンから解釈をし、現実の裏付けが出来たら、正しいとしています。

陥りやすいのが、肯定で解決しようとするときです。

このモヤモヤと見えるのは丸いから、肉まん? と思ったら、その後、肯定をすると真実に近づけません。何故なら、これ以上掘り下げられないからです。100億の丸い物体があったとしたら、肉まんに当たる確率は100億分の1の確率ということになります。まず、正解にはなりません。

しかし、ここに否定を入れて、肉まんじゃないかも? と思ったらならば 考え方が変わります。ならば、球体なのかな?と思ってから、その後、違うかも?と考えたら、それでも球体にどうしても見えるという場合があり得るのです。これがビジョンの面白さになります。追及が進んでいくからです。

否定が無ければ、真実という追及に至りません。でも、否定という言葉はマイナスイメージで、利用したくないかもしれませんが、肯定していくだけでは、気づきもなく、失敗もなく、高次に行く事も出来ないのです。

本人の気分が損なわないという満足はあるかもしれませんが。

否定は人格を損なう事でもなく、嫌われていることでもない。別次元の真実追及の為なんだという事を理解していただけると、「傷ついた」という言葉が出てこなくなるように思います。

「間違っているよ」という否定は角度を変えて聞けば、「真実が違う。であれば、本当の真実を今知ることが出来るんだ」という事につながるんですよね。

「傷ついた」時は、他人が悪いと考えるより、「気づきのチャンス」としてとらえて、真実への思考という高次につなげられる人になっていきたいものだと思います。