麻の神様

麻と言えば麻の紋を使用する氏族として有名なのが、阿波の忌部氏(いんべし・いんべうじ)です。「忌部」(いんべ)とは、古代よりヤマト王権の宮廷祭祀・祭具製作・宮殿造営を掌った名門氏族であり、「忌部」は穢れを忌む集団という意味のようです。

忌部氏の祖神の天太玉命が捧げもっていた大麻の先に、一羽の鳥が舞い降りました。神々は、これを吉兆と見て大変喜びました。そして、この鳥は天日鷲命(あめのひわしのみこと)という神となったと言われています。

この鳥の事を調べてみました。

林博章氏の研究による一考察でありますが、阿波勢力(後の阿波忌部族)は、弥生後期から古墳前期(3~4世紀)にかけ、徳島県を中心にその勢力を展開し、海部(あまべ)と力を合わせ阿波地域(徳島)を拓き、ヤマト王権成立に大きな影響を与え、日本各地に麻・榖(かぢ)を植え、農業・養蚕・織物・製紙・建築・漁業・衣食住の生活文化技術や産業技術・古墳築造技術(農業土木技術)などを伝承していく技術集団ということが判明してきました。

忌部氏の祖神の天太玉命なのだが、阿波の忌部族は、天日鷲命(天日鷲翔矢命)を祖神とし、麻や榖(楮)の殖産に長けていました。
古代において麻や榖は生活産業文化だと思います。天日鷲命の初出は『日本書紀』の天石屋戸神話で、木綿(ゆう)作りをしたと記録がのこっていました。

吉兆と言われている鳥の天日鷲命の別名は、神武天皇の東征を助けた金鵄(きんし)(八咫烏と同類とする説あり)のことです。
天日鷲命の子は大麻比古命、天白羽鳥命(長白羽命)、天羽雷雄命(武羽槌命)となります。なんとなく、羽が関係しているように見えます。

麻と絹との混交織物が倭文(しずり)織であり、それは天羽雷雄命として記録されていました。リーディングで大麻比古神社の大麻比古命をみてみました。

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